日本の寒さとドイツの寒さ
2025.01.15
ちょっと前に新年を迎えたと思ったら、もう1月も半分過ぎてしまいました。1月も半ば、冬の季節もいよいよ佳境に入ろうとしています。お店のあるさいたま市では、ここ数十日で記憶に残る雨天は一日のみ、乾燥した日々が続いています。自宅を構える行田市では、それに加えて冷たいからっ風が、どんどん体温を奪っていきます。
ところで、私たちが3年間暮らしたドイツのデュセルドルフは、札幌とミュンヘンがほぼ同じ緯度であることを考えると、緯度的には札幌よりも上と言うことになります。ですから、冬は当然、とても寒い。とても寒いのですが、寒さの質がこの辺りとは少し違うように感じます。その大きな要因は「風」。日本の太平洋側で日常茶飯に吹き荒れる冬のからっ風のようなものを、ドイツで感じたことがあまりありません。ただ、デュッセルドルフでは、足元から深々と冷えていく。「寒い」ではなく、「冷える」。
「どちらの冬が凌ぎ易いですか?」と、聞かれれば、個人的にはドイツの方。それは、体温を根こそぎ奪っていきそうな風の存在の有無だけでなく、屋内環境の快適さによるものが大きいようです。とにかく、ドイツでは冬でも屋内が暖かい。外がどんなに冷えていても、屋内ではシャツ一枚で過ごせるほど。これは、セントラルヒーティングで常時暖房されていることと、基本的に家が「石」の類で出来ていることによる蓄熱効果が大きいことによるのでしょう。しかもそれが、「或る一室だけ」ではなく、家屋全体が一斉に温められているのだから、最近よく聞く「ヒートショック」なるものもありません。
そう言えば、お客様にご実家が青森の方がいらっしゃって、「雪も多くて、寒いんでしょうね」と尋ねると、「でも家の中はとても暖かいんですよ」と仰っていました。「外がどんなに寒くても、生活の中心はいつも温かい」、きっと北の国で寒さをしのぐための共通の生活力の源なのでしょう。
さて、北欧諸国では暗く長い冬の季節を、屋内でも快適に楽しく暮らせるようにデザインが磨かれていきました。そんな素敵なデザインの一端が感じられる新商品を4点、ホームページに追加しました。今回は、あまり市場に出回らないARABIAのアート部門の花瓶も掲載したのでお見逃しなく。