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時代を超えて、形を変えて感じるロマン

2024.10.16

みなさんは「銘仙着物」というと、どのようなイメージを持たれるでしょう。例えば、「大正ロマン」や「昭和モダン」、「当時のカジュアルな着物」そして「庶民のお洒落着」…そう、少なくともそこには、時代を超えた「オシャレ」がキーワードに挙がりそうです。

9月25日(水)に、第2回のビンテージ銘仙を使ったリース創りのワークショップが開催されました。その様子は前回同様、リース創りに集中しながらも和気藹々とした雰囲気。是非、7月10日のブログをお読みになって、和やかで楽しい雰囲気を感じてください。

さて今回は、「アンティーク銘仙でリースをつくる意義」について、講師の島野さんに寄稿をお願いしました。島野さんが、どのような思いでワークショップを開催されていらっしゃるのか、垣間見ることが出来るでしょう。


銘仙の特徴として、化学染料の普及により鮮やかで大胆な色使いと、従来の和柄ものにはない西洋芸術の影響を受けた柄行が挙げられます。そして、上物の絹織物にはならないB級の絹糸を使って、安価に大量につくられたことから、普段着として若い女性を中心に、大正から昭和初期に大流行しました。

このようなアンティーク着物には、愛用されていた痕跡が布のすれやつぎはぎとして残っています。ですので、リースを作るために、着物をほどいて、洗って、アイロンをかけて、薄手の布にはスプレー糊をかけてアイロンをあて、張りを出しています。この様な下準備をして、5㎝角にカットしていくのです。こうして用意された1ピースの布片には、もちろん着物の原形はとどめていませんが、30種類の色柄があれば、それはすなわち30枚の着物があり、30人の女性の着姿を想像してしまいます。時代を超えて私の手元にあることの出会いにロマンを感じるのは、私が「布オタク」だからでしょうか。

新たに命を吹きこまれたかのようにできあがったリースには、作り手の個性があふれています。.gutさんのブランドコンセプトは「くらしに届ける小さな幸せ」だそうです。無心で作業するみなさんの手元を眺めながら、リースが「小さな幸せ」となって、どこかのお宅の壁に飾られていることを想像して、ニヤニヤしてしまいます。


いかがでしょう、その布の「過去・現在・未来」にまで思いを馳せる島野さんの布への愛情と、そんな布達を使ったワークショップを心から大切にされている気持ちが伝わってくるようです。てんぐーとでは、これからも島野さんのワークショップを開催していく予定です。島野さんの布への愛情の広がりが、もしかしたらリースとは違った形で体現されるかもしれませんね。企画が決定したら、またブログやインスタでお知らせします。是非、銘仙の新しい魅力に浸ってみてください。