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仕入れたお品が空港で没収される⁉

2024.03.05

基本的に私たちは、海外で仕入れたお品を預け荷物、または手荷物として日本に持ち帰ります。手荷物として運ぶのは、仕入れたお品の中でも壊れ易い物や、とある事情により預けられない物だけ。

所で、今更言うまでもなく、空港では飛行機に搭乗するにあたり、荷物の検査を行います。通常は何事もなく通過する手荷物検査ですが、時々トラブってしまいます。

例えば、このH.W.Kleinのネストテーブル。天板から脚を取り外すことが出来る、手荷物で運ぶことが多い私たちにとっては願ってもない優等生。こちらは英国で仕入れたものなのですが、三つのテーブルの脚をすべて外すことが出来ます。天板から外した計12本の脚を、天板と一緒に手荷物用のトランクに収めて、いざ空港へ。ところが、こいつが荷物検査で引っかかった。係の方に呼ばれて、トランクを開けると、そこには3枚の板と12本の脚…12本の木の棒。係の方が、木の棒のうちの一本を取り出すと、「これは凶器になるよねぇ」と一言…「ソダネェ」と返答しながら、頭の中では「H.W.Kleinのお盆が3枚になっちまうよ…」と、絶望感でいっぱい。こっちの気を知ってか知らずか、係の方は、ニヤニヤしながらその棒で何かを叩くような動作を何回も繰り返している…と、突然、「OK!」と言って、棒をトランクに戻すと、そのまま通過させてくださいました。

例えば、このロイヤルコペンハーゲンの電気スタンド。一見何の問題もなさそうなんだけど、X線を通すと台の中に何やら怪しい袋が…これは背の高いスタンドが安定するように仕込んだ砂袋なのだけれど、多分麻薬の密輸と思われたみたい…「ソダネェ」と返答しながら、仕方がないので、部品を外して砂袋を取り出そうとするも、肝心の部品が外れない。その間も、係の方々が3人集まって協議をしている…と、突然「OK!」と言って、そのまま通過させてくださいました。

そして、この鉛筆削り…一見すると何か分からないけれども、チェコの古い鉛筆削りなんです。仕組みは単純明快、上部の機構で鉛筆を回しながら、手裏剣のような刃で鉛筆を削っていきます。よく出来ているなぁ…まるでボンナイフを使って人力で鉛筆を削っているみたい。この『手裏剣の刃』が検査に引っかかってしまった。「これは凶器になるよねぇ」と、ここでも一言…「ソダネェ」と返答しながら、確かに『刃物』そのものなので何も言い返すことも出来ず、ただニコニコするだけ…最高の笑顔で愛想を振りまきながらも、「今回ばかりは没収される」と、覚悟を決め…切らないうちに、何故か突然「OK!」と言って、そのまま通過させてくださいました…空港の係の方々は皆さん、仏様ばかりです。

さて、ただ今、実店舗では「ビンテージ文房具展」を開催しています。前述した鉛筆削りをはじめ、机上に置いて、時々目をやったり、触ってみたりするだけで…勿論、実際にお仕事に使っていただければ、ちょっとした充実感も味わえる文房具を揃えてみました。是非、実店舗にて手に取ってご覧になってください。お仕事や普段の暮らしの良きパートナーが見つかるかもしれませんよ。