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ジェーンさんに学ぶ

2026.03.26

皆さんは、この花をご覧になってどのように思うでしょうか?

こちらは2月21日に開催されたワークショップ、”春を楽しむアレンジメント”の時に、講師の秋田直樹さんが作ったフラワーアレンジメントの写真。生けてから既に3週間ほど経って、そろそろ枯れ始めたチューリップの姿です。意外にも艶やかに残った花の色とカサカサになる直前の艶姿に魅かれて撮ったものです。このチューリップ、私は「美しい」と感じましたが、皆さんはいかがでしょう?

ところで、私の手元に平成9年12月1日に発刊された「Smica スミカNo4」(日経BP社 発行)という雑誌があります。その雑誌のインタビュー記事”私の暮らし、私のスタイル”にジェーン・バーキンさん(1946年12月14日 ~ 2023年7月16日 ロンドン生まれの女優歌手モデル)のお宅が紹介されていました。

ブルターニュのご自宅を通して、ジェーンさんの生き方や住まい観・インテリアに対する考え方などが紹介されたこの記事の内容は勿論のこと、掲載された写真がとてもステキで、時々本棚から引っ張り出しては読み直しています。そこで使われている写真は全てカメラマンをなさっている長女のケイト・バリーさんによるものです。写真を撮影されるにあたり、ケイトさんは母親に「少し片づけてから撮影しましょ」と提案されました。その娘のことばに対してジェーンさんは「ありのままでいい」と断ったそうです。記事の中に、そんなジェーンさんのインテリア観を述べた文章があったので抜粋してみましょう。

”デコレーションやインテリアについて、「家具をどうしよう」とか、「きれいに内装を調えなくては」というふうに考えることはまったくないというジェーン。ジェーンにとってのインテリアは、その家に住む人が残す汚れであったり、シミであったり。自然に朽ち果てていく花のその変化であったり。こうしたことこそが「住みやすさ」であるという。人工的に作られた場所は、彼女にとっていちばん居心地の悪い場所なのだという。”(日経BP社 平成9年12月1日発行 SmicaスミカNo4 13頁より抜粋)

「住みやすさ」に対するこの考え方はインテリアを考える上でとても参考になります。例えば、「住みやすさ=居心地の良さ」という当たり前のこと。「そこにいるだけで気持ちが軽くなる、『帰ってきた』感がある空間」を考える、といった基本を再認識する、とか。そして、ヴィンテージを受け継ぎ育てていく上で大切な価値観、とか。

「枯れていく花」に美しさを感じたことから古い雑誌の記事を思い出し、ブログに引っ張り出してきました。改めて読み直してみると、以前とはまた違ったものが見えてきます。私自身も様々な人生の汚れやシミを身に付けながらヴィンテージになりつつあるからでしょうか。はたして私はこれから、どんな”味”を醸し出していくのでしょう…あぁ今回は、そんな自分の年齢まで再認識するブログになっちゃいました…