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Aalto Vaseなど、新商品を13点掲載しました

2025.10.16

10月も半ばになると朝晩の冷え込みがきつくなってきます。つい最近まで、屋内ではTシャツ一枚でも十分だったのに、ここ数日は長袖の服を着ないとちょっと耐えられないこともあります。1か月ほど前には残暑が厳しくて、「早く涼しくならないかなぁ…」などとひとりごちていたのに、いざ涼しくなると「ちょっと寒いなぁ…」などとつぶやいている。オフコースさんの「夏の終わりに」と言う曲は「夏は冬に憧れて 冬は夏に帰りたい」と言う歌詞から始まりますが、まさにそのまんま。まったく人間は勝手なものです。

さて、10月も新商品を13点アップしました。メジャーなものから隠れた良品まで、色々取り揃えています。ここでは、その中から「Aalto Vase:アアルトベース」を少しだけご紹介しましょう。

とは言っても、こちらは今更説明するまでもない、北欧雑貨に興味のない方でも一度はどこかで目にしているであろうフラワーベースですね。フィンランドデザイン界の巨匠アルヴァ・アアルトさんによって1936年にデザインされました。ネットの説明に「フィンランドの湖や自然からインスピレーションを受けています」とあるように、柔らかい波型のフォルムが特徴の花瓶です。こちらはイッタラの工房で職人さんのマウスブローによって制作されていますが、実は原型となる『型』の種類によって、趣が全く異なります。

アアルトベースが登場した1930年代、形の基本となる『型』には木型が使われていました。しかし、1950年代には安定した品質の商品を作ることが出来る金型に変わったそうです。

木型を使った場合、1000℃を超えるガラスの塊を木の型に押し付けて成形するのですから、そのたびに木型は燃えて少しずつ形を変えていきます。そして、その変化はアアルトベースの出来上がりにも表れます。実際に出来上がったアアルトベースをみると、全体のフォルムがややあいまいになりガラス表面には木型の変化に応じた柔らかいゆがみが見て取れます。

それに対して金型を使った場合には、木型のように燃えて変形することもないので、木型で作られたもののような顕著なゆがみもなくすっきりとした印象を受けます。

実際に両者を並べて較べてみると、その表情の違いには驚かされます。特に、アアルトベースを通った光の揺らぎを見ると、木型のそれは、より表情豊かに感じます。

「どちらが良いか」と言うと、それは個人の好みによるところでしょう。ちなみに私は、木型のアアルトベースの方が好きで、今回の仕入れ中もずっと注目して探していたのですが、木型のヴィンテージはなかなか…。実は木型のアアルトベースはイッタラでも再販されているので、機会がありましたら是非ご覧になってください。きっとその独特なガラスのゆがみや光の揺らめきに魅了されますよ。

シーブルーのアアルトベースです。複雑な形状とマウスブロー特有のガラスの厚みの変化やゆがみから来る豊かな表情はいつまで見ていても見飽きない美しさです
上から見てみると、本当に湖のようなフォルムなのが良くわかります

ところで、13点の新商品のうち一点だけ横着した方法で登録したため、「最新」で並べ替えてもそこに出て来ません。どうぞ、あと一点につきましては何とか探し当てていただければと、切にお願いを致します(汗)。