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照明の光、日本と北欧を較べてみて

2024.01.29

ただ今、てんぐーとでは「冬も夜長の灯火展」と題して、電気スタンドを17基そろえてみました。定番のスーホルムやロイヤルコペンハーゲンのスタンドの中に、一つだけ異質な電気スタンドが混じっています。それは緑色の切子の電笠が乗った鉄脚の電気スタンドです。

この電笠は、透明・白・緑の3層の被せガラスで出来ており、そこに優雅なカットが施された古いものです。点けてみると薄い緑の光が広がり、その中に切り子模様が浮かび上がります。それが漆喰の白い壁に映り込むと、そこはもう大正浪漫の世界…北欧雑貨の店なのに大正ロマン(笑)。でも、北欧の食器との相性は抜群なんですよ。それだけ、お互いの許容範囲が広いということなのでしょうね。

ところで、北欧の照明には、光源の光が直接目に入らないように設計された「グレアフリー」のものがあります。例えば、拙宅のダイニングテーブルの上に掛かっているNordisk Solarのヴェローナ Verona ペンダントランプは、まさに7枚のシェードに映る優しい光と陰影が美しいグレアフリーの代表作。ペンダントの真下には、電球からのストレートな光が差し込み、しっかりとテーブル上の明るさも確保される実用性も持ち合わせています。

素材もデザインも全く異なる日本と北欧の灯り。でも、両者に共通するのは、どちらも光をデザインしているということ。片や、ガラスを透過することで色々な光そのものを演出し、片や、光そのものを設計して見せ方を変えてしまう。表現方法は違えども、「光」をデザインの大切な要素の一つにすることが、豊かな空間の実現につながっていくのでしょう。