金継ぎ…みたいの、してみませんか?
2026.06.11
私は時々、柱時計を修理する。
動かなくなった機械式の柱時計を分解掃除して、動くように整える。運悪くゼンマイが切れていたり、歯車が破損していたりしたら、ストック品から流用して交換する。そんなこんなで、再び”コチコチ”と動き出した柱時計は、輝くように生き生きとしてくるから不思議なものです。だから、欠けた器も”金継ぎ”を施すことで、新たな表情を見せてくれるのではないか?私は”金継ぎ”に対して、そんな魅力を感じていました。
ランチ営業をしていると、どうしても発生するのが食器の破損。お客様の席から下げてきた食器類は軽く下洗いした後、水をためた洗い槽にドボンッ!します。洗う食器の数が少ないうちは特に問題はないのですが、そこに食器が溜まってくると食器たちがガチャガチャとぶつかり合って、時々欠けたり割れたりします。
割れ・欠けが出来た食器は危ないので、そのまま廃棄することもありますが、ものによっては何とか直して再利用したいものもあります。ここで、いよいよ”金継ぎ”が登場します。とは言っても、正式に”金継ぎ”をしたことはないので、いわゆる”金継ぎみたいなこと”をするわけです。
欠けた部品(?)が残っていれば、それを瞬間接着剤で当該部分に接着、隙間に接着剤を充填して耐水ペーパーで水研ぎすれば、よくよく見なければそれとは分からないくらいに直すことが出来ます。ところが、欠けた部分が大きくて、なおかつ欠けた部品が残っていない場合には面倒なことになります。
まずは欠けた部分に、水や衝撃に強い接着剤を盛って行きます。本来の食器面よりもやや厚く塗って、丸々一日以上乾燥させてしっかり硬化させます。固まったら、本来の食器面に合わせて耐水ペーパーで水研ぎをして「面」を整えます。次に、金色のラッカーを研いだ接着剤に塗布して乾燥、最後にまた水研ぎをして完成予定です。


接着剤の成分上、実際に料理を乗せて使うことは出来ませんが、アクセサリーや鍵などの小物を収めるには問題なさそうです。何よりも、”金継ぎ(モドキ)”がその食器のどんな”景色”になるか興味深いところ。現在は接着剤を水研ぎしたところまでですが、金色を塗って水研ぎで仕上がったら、またご報告しますね。
実は、最後に塗布する金色の厚さのことを考慮したら、”本来の「面」に対して、どの程度まで接着剤を削ったら良いのか?”など、やってみないと分からない課題がいくつか残っています。そんな問題も考えながら、”金継ぎ(モドキ)”を楽しみたいと思います。もしご自宅でこんな食器を発見されたら、皆様も是非、挑戦なさってはいかがでしょう。色々情報交換をして、より完成度の高い”金継ぎ(モドキ)”を目指しましょう⁉