「洋風」なのに「和風」?
2026.04.09
大正ロマンを感じさせる日本の古い洋風建築を訪れるたびにフト考えてしまうことは、「外国人が日本の風土を加味して設計するとこうなるのか?」、それとも「日本人が西欧のデザインを取り入れて設計するとこうなるのか?」。それほど、「洋風」とは言っても、どことなく漂うのが「日本的」なたたずまい。
3日間の”九州・癒しの旅”の最後に立ち寄ったのは旧門司駅、現在の門司港駅です。20数年前に某雑誌の記事で目にして以来、この駅は一度は行ってみたい場所のひとつでした。同じ記事の中で紹介されていた、まるで魚の目(実際、サメがコンセプトだそうです)のような丸窓が印象的な、イタリアの建築家アルド・ロッシさん設計のプレミアムホテル門司港(記事掲載当時は門司港ホテルでした)にも宿泊できて、建築物オタクの私にとっては本当に充実した旅でした。


今回ご紹介するのは、そんな門司港駅の照明器具です。写真をご覧いただけるとお分かりのように、駅の入り口、そして中央ホールには日本製シャンデリア、いわゆる「二灯式」とか「四灯式」とか言われる照明が使われています。ネオ・ルネッサンス様式の建物に合わせてしつらえたものでしょう。「シャンデリア」とは言いながら、やはりどことはなし「日本的」な垢ぬけなさを感じてしまうのは私だけでしょうか。でも、そんなところがまた大きな魅力で、照明オタクでもある私の家でも、そんな日本製シャンデリアが三つ使われています。


例えば、このブログを書いているデスクから天井に目を移すと、我が家の「四灯式」が目に入ります。こちらは門司港駅のものよりももっと「和風」寄りのデザインです。まさに日本人が西洋の照明のエッセンスだけを取り出して日本人の感性で描いたようなデザイン、「日本人が西欧のデザインを取り入れて設計」したパターンでしょう。

では門司港駅の駅舎はどうだったのでしょうか。『「生命と微量元素」講座<荒川泰昭>「レトロ門司」復興への道(https://www.arakawa-yasuaki.com/gallery/Old-Moji-Station-building-present-Mojiko-Station.html)』によると、「設計者は従来のドイツ人説ではなく、鉄道院九州鉄道管理局工務課だった」そうです。つまり、こちらも「日本人が西欧のデザインを取り入れて設計」したパターンだったようです。そんな観点から駅舎を眺めてみると、設計者の西洋へのあこがれとか、日本人の感性に合ったデザインに落とし込んでいく過程とか、本当に興味は尽きません。