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イチジクの姿煮と紅茶のパンナコッタ

2025.08.19

夏はお好きですか?

子供の頃の私は夏が大好きでした。だって、夏にはカブトムシやクワガタムシが沢山採れたし、楽しいプールもあったから。それが、いつの頃からか夏が大嫌いになってしまいました。それはきっと…間違いなく、この暑さのせい。最高気温が42℃に迫るような国になり、エアコンの部屋から出るのも躊躇するような暑さ。

私が子供の頃は、扇風機一台でもどうにか暑さを凌ぐことが出来ました。気温は、31℃にもなるともう、「今日はやけに暑いねぇ」って。ここ数年、最高気温が31℃だったらきっと、「今日は随分と凌ぎやすいねぇ」ってなるでしょう。しかも、毎日のように夕方には夕立が来て、昼の暑さを洗い流してくれました。だから夜は、多少の寝苦しさはあっても、エアコンなしで十分しのげました。

ところで、夏の風物詩と言えば、先に書いた「昆虫採集」。虫捕りには、雑木林が少なくなった昨今では忘れられているであろう「虫捕りの定石」みたいなものがあります。それは「見る(観察)、ほじくる、蹴る、掘る」の4つ。先ずは、お目当ての虫がどこにいるのかよく「見る」。嗅覚を研ぎ澄まして、樹液が出ている樹を見つけ出して、そこに虫がいるか観察する。もしくは、クヌギやコナラの木に空いている穴にクワガタムシが潜んでいないか観察して、ちょっとでも体の一部を発見したら、間髪入れず「ほじくる」。もたもたしていると穴の奥深くに逃げられてしまう。すぐに近くに落ちている木の枝を拾ってほじくりだすか、それが無ければ兎にも角にも指を突っ込む…見間違えて、クワガタではなくゴキブリだった時の指先の微妙な感覚は最悪でしたが。

次に行うのが樹を「蹴る」。虫が居ようが居まいが、取り合えず蹴ってみる。もしその樹に虫が居れば、蹴った衝撃に驚いて落ちてくる。ところで、今思い返してみても不思議なのですが、蹴った拍子に落ちてきた虫を、取り逃がしたことが先ずありません。動体視力が優れていたのか、はたまた聴覚が異常に発達していたのか…とにかく樹の上から落ちてくる虫の残像が目に焼き付く感じ、または落ちた音だけでその場所と獲物の大きさを確実に探知する感じで、十中八九、虫が落ちた位置を正確に把握することが出来ました。それが子供の時だけの超能力なのか、若さゆえの感覚の鋭さなのか、今となっては遠い思い出、もう確かめようもありません。

虫捕りの締めくくりは、「掘る」。樹の上にいないのならば、樹の根元のひんやりとした土の中に潜っているだろう、そんな期待を胸に樹の根元を掘り返す。居る確率は…10~20%くらいだったかなぁ。カブトムシが潜っていることはあまりない。大体がクワガタムシ。しかも、見つかる時はたいていがつがい。雄雌仲良く睡眠中に突然掘り起こされてしまうのだから、なんとも気の毒なお話です。

それにしても今年の夏は暑すぎます。昆虫採集に熱中していたら「熱中症」で病院に運ばれそう。そんな暑い夏に是非試していただきたいスイーツが、「イチジクのコンポート」と「紅茶のパンナコッタ梅ジャム添え」の二つ。「イチジクのコンポート」、当店での別名称「イチジクの姿煮」は、旬を迎えたイチジクの実を丁寧に赤ワインでコンポートした優しいスイーツ。詳しくは「2024.8.19 無花果スイーツの旬 到来!」の記事をご覧ください。もう一つのお薦めの「紅茶のパンナコッタ梅ジャム添え」は、イタリアを代表するデザート「パンナコッタ」に紅茶の風味をアレンジしたもの。これに、自家製の梅ジャムをアクセントに加えてみました。紅茶がふわりと香る柔らかなパンナコッタの甘さと、梅ジャムの酸味がとてもマッチした爽やかなスイーツです。どちらも、ビンテージのコップでサーブいたします。上手にスプーンで「掘って」お召し上がりください(笑)。

イチジク本来の上品な甘さが堪能できますよ。
こちらは普通のパンナコッタの映像になります。クリーム(またはアイス)とパンナコッタの間に梅ジャムがプラスされます。

今月の営業も、次の金・土・日曜日の3日間で終了です。なお、24日(日)はイベント開催のため、ランチ営業が15時まで(ラストオーダーは14時)となります。8月29日(金)~31日(日)はお休みになりますのでご注意くださいませ。